【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


だけど、誰が何のためにこんなものを?


私の靴箱に?


そう思って、小さなあめだまの袋をひっくり返すと、


「え……?」


そこには、誰かがペンで書いたであろう、黒い文字。


“頑張って、莉桜”


あめだまの包装紙には、そう書かれていた。


頭の中が、ハテナマークで埋め尽くされる。


誰が?何のために?


さっきの疑問が、再び頭の中に浮かぶ。


それに……どうして私の名前を知ってるんだろう?


思うことはたくさんあったけど、


「おーい、莉桜。何ボケッと突っ立ってんだよ。俺らもう行くぞ?」


そう湊人に言われ、ハッと我に返る。


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