【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


───コトン。


学校へ到着して靴箱から上履きを引っ張り出すと、昨日と同じ音がした。


視線を下に向けると、落ちているのはいちごのあめだま。


それも、また私の好きな種類のやつ。


「……まさかね」


そう思いながらあめだまを拾い上げ、袋をつまんでひっくり返すと……


“莉桜ならきっと、大丈夫”


っていう文字。


やっぱり、今日もメッセージ付き。


本当に誰なのかな、このあめだまをくれてる人……。


そんな疑問を抱きながらも、私は昨日と同じようにあめだまを胸ポケットにしまい、私を待つ湊人と冬真のもとへと急いだ。


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