【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
みっつめ。
木曜日の朝。
また、今日もだ。
靴箱を開けて、今日は上履きを引っ張り出す前にしゃがんで靴箱を覗きこんでみると、そこにはやっぱりいちごのあめだま。
私はてのひらの上にあめだまを乗せると、
「今日はなんて書いてあるんだろ」
ってわくわくしながら反対の手であめだまの袋をひっくり返した。
“莉桜はずっと、笑っててね”
その一言に、思わずふふっと笑みがこぼれる。
だって、ずっと笑っててって……。
まるで、私のことが好きって、私の笑顔が好きって、そう言われてるみたいなんだもん。
家に帰っても、湊人のことばっかり想って泣いてる私。
報われない、叶わない恋をしている自分を、自分で慰め続けてきた私。