【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
そんな私のことを、“ずっと笑っててね”って、そう言ってくれる人がいるんだ……。
例えこのあめだまの送り主が女の子だったとしても、やっぱり嬉しいと思う。
今日で、あめだまをもらうのも3回目。
なんだかもったいなくて、一昨日と昨日のも食べられずに、家の机の上に置いてる。
少しでも湊人を想ってつらいなって感じたときは、そのあめだまを手に取って、メッセージをジッと眺めるの。
そしたら、ほんの少しだけでも、心が元気になったように思えるから。
「もしもーし、莉桜さん。いつまで俺たちを待たせる気ですか?」
「あっ、湊人、ごめーん!冬真もごめん!すぐ行くねっ」
私は今日もあめだまを大切に胸ポケットにしまうと、あきれた顔でため息をついている湊人と、眉をひそめて私をジッと見つめている冬真のもとへと駆け出した。