【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
──キーンコーンカーンコーン。
4限目の終わりを告げるチャイムが鳴った途端に、みんなシャーペンやら消しゴムやらものさしやらを片付ける音がする。
「きりーつ。気をつけ。礼」
学級委員の男の子がそう言ったあと、
「ありがとうございましたー」
とみんな声をそろえて言う。
そして私は自分のスクールバックを両手に抱え、すぐさま菜知のもとへと向かった。
菜知は、私が一番仲良しな女の子。
同性で一番、心を許している子かもしれない。
「ねぇ、菜知~」
私がバックを抱えて菜知の席へ行くと、菜知は目尻を下げて笑ってから、
「なぁに、莉桜。今日も私と食べるんでしょ?それとも、別のお悩みですか?」
って、コクッと首を傾げた。