【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


その拍子に、菜知のロングストレートの黒髪がサラッと肩から滑り落ちた。


私は菜知の前の席に、菜知と向かい合わせになるようにして座る。


お母さんが心を込めて作ってくれたお弁当を広げながら、


「あのね、実はね……」


と、私は言葉を発した。


話題は、火曜日からなんの前触れもなく届き始めたあめだまのこと。


やっぱり、誰かにこのことを話したかった私は、一番の仲良しである同性の菜知に話すことにしたんだ。


「……でね、それでね。毎日、私の好きないちごのあめが靴箱に届くんだ」

「へぇー、面白いね。なんか、ドラマみたい」


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