【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


「……あ、私もね、最初、菜知と同じこと思ったの」

「やっぱり?だよね」

「うん。この字、どこかで見たことあるな、って」

「私も、そう思った」


考えるようにまた黙りこんだ菜知を、眺めるだけの私。


数秒たって、菜知がパッと顔を上げた。


「その字さ、冬真くんのじゃない?ほら!莉桜の幼なじみの!」


周りに聞こえないようなボリュームで、私にこそっと耳打ちした菜知。


……でも。


「冬真?まっさかぁ。それは絶対ないよ」

「なんで?」


え、なんでって……。


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