【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


「だって冬真、そんなこと言うキャラじゃないもん。確かに、いつも毒舌の湊人から私を守ってくれるし、女の子扱いしてくれるけど……」

「絶対ないって、言い切れるの?」

「んー、多分?でもさ、菜知に言われてみれば、確かにこの字、冬真の字にそっくりな気もするんだよね」


私はもう一度、自分のてのひらに乗っかっているあめだまをじっくりと眺めてみる。


……うーん。


見れば見るほど、冬真の字に似てるかもしれない。


「ちょっと私、明日にでも冬真に聞いてみよっかな。今日は委員会あって一緒に帰れないし」

「うん。そうしてみなよ!冬真くんじゃなかったら、それはそれでいいじゃん?つらいだろうけどさ、今の立場から一歩踏み出さなきゃね」


湊人が好きだという私の気持ちを唯一知っている菜知は、少しだけ切なそうににこっと笑った。


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