【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
よっつめ。
チュンチュンと、小鳥のさえずりが空に響く。
今日も、私の好きないちごのあめだまは靴箱の中にあるかな……。
あるとしたら、何て書いてあるんだろう。
……ふふっ、なんだか学校に行くのが楽しみになってきた。
「なぁ、莉桜。なんでそんなに楽しそうなんだよ?今日が金曜日だからか?気持ち悪いぞ?」
「うるさいなぁ、湊人は。最近ね、すっごく楽しい出来事が起きてるんだから!」
登校中、私の左側を歩く湊人に向かって、私はベーっと舌を出す。
「……ふわぁ……」
「ちょっと、あくびしないでよ!湊人からなんでそんなに楽しそうなのかって聞いてきたくせに!」
湊人があくびをして眠そうにしていたから、私は眠気覚ましの意味で湊人の背中を力一杯バーンと叩いた。