【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


「いてっ!……ってぇよ、莉桜!」


眉間にしわを寄せて、大袈裟に痛がる湊人。


「あははっ!湊人、さいっこう!」


私はそんな湊人を見て大笑いしながらも、チラッと視線を右側に向けて、冬真の様子をさりげなく確認した。


……うん。


冬真はやっぱり全く表情を変えることはなく、私たちのやり取りを見てやわらかく笑っている。


あめだまは、冬真の仕業じゃなかったのかな。


もし冬真だったとしたら、私が、


『最近、すごく楽しい出来事が起きてる』


って言った時点で、少しくらい顔色を変えてると思うし。


やっぱり、私と菜知の勘違いだったんだ。


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