【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
空を見上げると真っ青に澄みきっていて、雲ひとつないスカイブルー。
そして少し遠くを眺めると、青空に映えるように緑色の葉っぱをつけた木々がたくさん並んでいた。
……夏の屋上はやっぱり蒸し暑くて、吹く風もちょっぴり生暖かい。
「……莉桜」
ひとりで風を浴びながら目を閉じていると、後ろから肩をポンッと叩かれる。
「冬真……」
私は体をくるっと半回転させて、しっかり冬真と向き合った。
「話って、なに?」
冬真が言った。
「あ、あのね……」
だから私も口を開いて、ぽつりぽつりと気になっていたことを話し出す。