【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~


「……そうだよ」


聞こえたのは、私の問いかけを認める返事。


心のどこかでもやもやと渦巻いていた疑問が、きれいさっぱり消えていく。


「莉桜」

「ん……?」

「どうして気付いたのか、聞いていい?」


冬真はそっと笑った。


「……3つ目のあめをくれた昨日まではね、きっと冬真じゃないって思ってたの。いくら文字が似てるからって、冬真はこんなキザなことする人じゃないって、そう思ってた」


「……ん」

「でもね、今日の朝。メッセージを見て気付いたの」


私はそっと胸ポケットに手をしのばせ、奥に入っていたあめだまを取り出す。


そして、メッセージに視線を落とした。


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