【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
「“ありのままの莉桜が好き”。……このあめだまには、そう書いてある。この文字を見たときにね、一番に、冬真の顔が浮かんだんだよ」
顔を上げて冬真を見ると、冬真はとても穏やかな顔で私を見つめていた。
「……だって、冬真、よく私に言ってくれてたから。小さい頃から私が悩んで落ち込むたびに、泣くたびに。“俺はありのままの莉桜が好きだよ”って、何度もそう言ってくれたから」
「だから、か……」
「うん……。だからきっと、これは冬真じゃないかなって、気付けたの」
私がそう言うと、冬真は少しだけまぶたを伏せて。
「……じゃあ、もう気付いてると思うけど。今から言うこと、ちゃんと聞いて」
冬真がそう言った瞬間、私の体がふわっと冬真の腕に包まれた。