【短】あめだま。~きみと出会えた奇跡~
あ……冬真に抱きしめられてる……。
そう自覚した途端、大きくなる心臓の音。
おかしいなぁ……。
私が好きなのは、湊人のはずなのに。
なんてひとりで考えていたら、
「莉桜」
って、優しい声色で呼ばれた名前。
「俺さ……小さい頃からずっと、莉桜が好きだった。莉桜の一番になりたいって、いつも思ってたんだ」
少しだけ声を震わせて、言葉を紡ぐ冬真。
あめだまの相手が冬真だと確信した瞬間から、冬真の想いには薄々気付いてたから、そんなに驚きはしなかった。
「莉桜が湊人を好きなことも、知ってる」
「うん……」
「ずっと見てたから。湊人ばかり目で追ってた莉桜を、湊人に彼女ができてから切なげに笑う莉桜を。俺はずっと見てた」
冬真の腕の中で、私はグッと目を閉じる。