先輩と恋のジレンマ
「先輩はどうしてここにいるんですか。」
周りを見ても、先輩の友達はいない。
如月先輩は少しだけ頬を染めて「由宇を待ってるの」と小さな声で確かに言った。
そう思えば如月先輩がここにいうのはおかしくない。
不特定多数の女子とよく見かける白銀先輩だけど、如月先輩とはよく一緒にいる。
「そうですか……」
「嫌だった?」
「え。」
私の心を正確に読み取られたような気がして、先輩にはなにも言えなかった。
先輩はそんな私を見て少し笑った気がした。
嘲笑いなのかただ笑っただけなのか分からないけど、先輩の目は敵意にあふれていた。