先輩と恋のジレンマ
「っつぅ。」
私の手にかかったコーヒーは熱くて、思わず顔をゆがませた。
白銀先輩は私の手を引いて、椅子から立ち上がらせる。
店の奥のほうに歩き出す。
ふと如月先輩を見ると、私のほうを強くにらんでいた。
「火傷、いたい?」
「……少しだけ。」
店員の休息所のようなところにつくと、先輩は私の手を水道で冷やす。
私の手を握って水を当てているので、先輩にも水がかかっている。
「先輩、裾に水がかかってますよ。」
「自分の心配をしろ。」
ぶっきらぼうに言葉を放った。
けれどその言葉に優しさが含まれていて、舞い上がりそうなくらいうれしくなった。
やっぱり好き。