目なし女の消えない呪い
ビチャ、ビチャ、

ビチャ、ビチャ……。




しんと静まり返った洞窟の中で、美月の足音だけが洞窟の中で、響いていた。




〈 私がこの洞窟をこのまま歩いていけば、きっとそこには、目なし女の遺骨があるはずよ。

そしてそこには、目なし女がいるの。

目なし女は、私の瞳をきっと奪う。

私への憎しみを晴らすために…… 〉




洞窟の中で、またキィー、キィーという鳴き声が聞こえ始めて、美月はゾッとして足がすくんだ。




〈 コウモリの鳴き声……。

それもものすごい数…… 〉




美月は再び、コウモリの鳴き声が聞こえる方へ、懐中電灯の光を向けた。
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