目なし女の消えない呪い
美月が懐中電灯を向けた先には、無数のコウモリたちがいた。




美月はコウモリたちの不気味さに怯えながらも、ゆっくりと一歩ずつ、洞窟の奥へと進んでいった。




〈 たとえコウモリたちが、私の行く手を阻んでも、私は前に進むわ。

私には時間がない。

目なし女が弥生の瞳を奪う前に、私は目なし女を見つけるの! 〉




洞窟の天井に止まっていたコウモリたちが、鳴きながら、美月の方へ飛んできた。




〈 お願い、コウモリたち、私の邪魔をしないで!

私は何があっても前に進むの!

私が行く道は、もう一つしかない。

私は目なし女に自分の瞳を捧げるの 〉




美月はコウモリたちが飛び交う中、身を屈めて、コウモリたちをやり過ごした。
< 241 / 279 >

この作品をシェア

pagetop