目なし女の消えない呪い
早くしないと、美月が死んでしまう。




拓也の頭の中は、そのことでいっぱいだった。




少しくらい、言葉が悪くてもいい。




そのことで、美月の父親や母親から嫌われても……。




今、自分にとって一番大切なことは、美月を救うことだ。




「お願いです。

美月は弥生の家から、ここに帰ってきて、秀雄さんか麻美子さんに何かを聞いて、目なし女の居場所を突き止めたんです。

秀雄さんには、長島優子って言った方がわかるでしょうか?

三十年前、笹原高校に在籍していた火傷で赤くただれた顔の女子高生です。

秀雄さんと麻美子さんのクラスメイトです」




拓也がそう言うと、秀雄の顔つきが変わった。
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