目なし女の消えない呪い
美月はしんと静まり返った一寸先も見えない暗闇の中で、自分が何をしていいのかもわからず、怯えながら、立ちつくした。




美月の心臓はドキドキと音を立て、膝はカタカタと震えていた。




〈 どうしよう?

私は明かりもない洞窟の中に、一人で取り残されてしまった……。

私を助けてくれる人は誰もいない。

私はどこへ行けばいいかもわからない。

どうしてなの?

どうしてこんなところで、懐中電灯の明かりが消えてしまったの? 〉




美月がそんなことを思って、パニックに陥っているとき、誰もいないはずの洞窟の中で、誰かの足音が聞こえてきた。
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