僕を愛した罪
「は?」
僕の名前を…知らない?
「キミはそれで…僕を好きだの彼女だの言っていたのですか?」
「うん。
だって王子くんは王子くんだもん」
「……もう良いです」
僕は彼女に背を向けて歩きだす。
…今までも彼女をとことん嫌って来たけど
ここまで嫌ったのは初めてだ。
「王子くん?待ってよ?」
「…ついてこないでください」
「王子くん―――」
「……まともに俺の名前も呼べないアンタなんて嫌いだ。
2度と俺の前に現れないでくれ。
さもなくば貴様を2度と這い上がれないぐらいに地獄へ堕としてやる。
脅しじゃないから」
僕は呆然と立ちつくす彼女を放って
休み時間の始まりのチャイムが鳴り響く教室内に入ると。
担任が何か言っていたけど全て無視して
学校を出ました。
何度も人に失望してきていますけど。
…あんなにも人に失望したのは
初めてかもしれないですね……。