僕を愛した罪









「彼女と、上手くやっているのか?」


「……関係ないでしょう」


「愛ちゃんに迷惑かけるなよ」


「……放っておいてもらえますか」


「この家に来る時は、ちゃんと行儀良くしろよ」


「……アナタに言われなくてもやってますよ。
常識でしょう?」


「……相変わらず冷たい奴だな」


「……聞きたいことがあるんですけど」


「何だ?」





淡々と、まるで台本を読み進めていっているような、親子の会話。

こんな冷めきった親子、初めて見た…。





「…明るくって、何ですか」


「は?」


「彼女に言ったそうじゃないですか。
僕が、彼女みたいに、明るくなれば良いって…。

僕をこういう性格にしたのは、アナタでしょう?
今更変えろって…。

無茶苦茶じゃないですか?」






俯き、腰の横にある手を強く握り、声も体も震わせるセイくん。

あたしはハラハラしながら、星太郎おじちゃんの返答を待った。








< 103 / 178 >

この作品をシェア

pagetop