僕を愛した罪
門を開けて名前を呼ぶけど。
見当たる場所に、セイくんはいない。
「セイくんっ!」
誰も通らない住宅街に、あたしの声が響き渡った。
「…追いかけないと。
見失わないように、しないと」
独り言を漏らし、あたしは走り出す。
行き先なんてわからない。
だけど、一生懸命探した。
「セイくん!セイくんっ!セイくん!!」
中学生の頃、あたしは大事なものを失った。
知らなかった。わからなかった。
あたしの心も、政志の心も。
恋が何か、わからなかった。
だけどセイくんに会って、
少しだけど、学べた気がする。
「セイくんっ!!」
キミの隣で笑いたい。
キミの隣で幸せになりたい。
キミとこの手で、繋がっていたい。
それがあたしの、恋。
セイくんへの、愛。