僕を愛した罪
俺はポケットに眼鏡をいれながら、ふっと笑みを漏らした。
「…マジであり得なくて意味わかんねぇの、あんただな」
「だって好きなんだもん。
諦めたくなんて、ないの。
今ならわかるから。
中学の頃わからなかった、気持ちに。
セイくんのこと、大好きだよ?」
「……あんた、馬鹿だな」
「え?」
俺は俺の手を握る彼女の手首を握り、引き寄せた。
「近いよッ……」
「良いんだよ近くて。
…嬉しいんだろ?
俺の傍にいられること」
「嬉しいけど…近いよぉ……」
「あんたは本当に飽きねぇ奴だよ」
「セイくん……?」
「俺の調子、簡単に狂わせやがって。
あんたほど変で馬鹿で真っ直ぐな奴、存在しねぇよ」
「ひどぉい!」
酷いと言いながらも、クスクス可笑しそうに笑う彼女。
…本当に、敵わねぇな。
俺を
簡単に堕としやがって。