僕を愛した罪
気が付いた時には時すでに遅し。
2人組は笑うのを止め、僕を睨みつけてきました。
「はあ?」
「馬鹿っぽいって何?」
「馬鹿はそっちでしょ?」
「口調だけ頭良いみたいなこと言っちゃってさ」
…怖いなんて思いません。
むしろ勝手に言ってろ、という感じです。
2人組の声は全て、右から左へ抜けて行っていますから。
「…マジであり得ない。顔だけじゃないの」
「……行こう。
こんな変な奴放っておこうよ」
2人組は乱暴に舌打ちすると行ってしまった。
…良かったです、行ってくれて。
僕は色々言われるために、ここに立っていたわけじゃありませんから。
「……ふう」
溜息が漏れます。
…やっぱり生きにくいですね、今の世界は。
今も昔も、未来も、変わらないんでしょうけど。