僕を愛した罪
「あと、あたしとの付き合いも認めてくれたみたいだし。
セイくんの話を聞く限り、おじちゃんってセイくんに、自分の跡を継いで政治家になってほしかったんでしょう?
普通、継いでほしかったのなら、認めてくれると思わないけどなぁ」
「…もう期待はしていないと言われましたから。
僕が誰と付き合い、どんな道に進むのかなんて、興味ないじゃないのですか?」
「そうかもしれないけど…。
ねぇセイくん、やっぱり仲直りした方が良いんじゃないのかな?
セイくんがおじちゃんを恨む気持ちはわかるけど…。
このまま別れちゃったら、絶対に仲直りするチャンス、なくなると思うんだ」
…次郎さんや芽衣子さんにも言われましたけど。
僕はもう…あの男に会う気なんて、さらさらありませんでした。
「……あんな色々言って、今更どうやって会えば良いのでしょうか?」
「そんなの普通に会えば良いんだよ。
だって親子でしょ?
親子は、何があっても、親子なんだよ」
「……」
「あたしは、パパとママに感謝しているよ。
引きこもってたあたしを、絶対に見捨てたりしなかった」
「…………」
「セイくんだって、絶対にやり直せるよ。
あたしが傍に居てあげるから、ね?」
「…………ですが…」
「…あーもう、グジグジしないでっ!」
ベンチから立ちあがった彼女は、
ガシッと勢い良く僕の腕を掴みました。
「一緒に行こう?セイくん。
セイくんの名前のセイは、おじちゃんのセイなんでしょ?
血の繋がった、親子なんでしょ?
星と星が結ばれて、星座が出来るように、
セイくんとおじちゃんも結んで、親子をもう1度やり直そう?」
…なんだかかっこいいことを言った彼女は。
僕の手を引き、走り出しました。
「ちょっ、おい!待てよ!」
「当たって砕けろ!セイくん!!」
「俺は当たって砕けたくねぇよ!!」