僕を愛した罪
『メールだよ、メールだよ』
「あ、セイくんだっ!」
あたしは髪の毛を乾かす手を止めて、
机の上に置いておいたスマートフォンを手に取った。
0123とロックを外して、届いたメールを開く。
<明日暇?>
そっけない、シンプルなメール。
それだけで、あたしのテンションはマックス!
昼間受けた授業で感じた眠気なんて、どこかへ飛んで行っていた。
<暇だよ~!(はあと)
ていうか、
セイくんと会えるってわかったら
どんな用事も投げ捨てて会いに行くよ!
(だぶるはーと)
セイくん、だいすき!(はあと)
アイ>
いっぱいハートの絵文字いれちゃった!
送信して、ニヤける口を隠すためスマホを口元に持って行く。
そして、スマホにキスをしてしまった。
「あー!
セイくんとまだき…き…き…キッスもしていないのに!
画面にキスしちゃったよ~!
セイくん、ごめんね!
愛しているよ、大好き大好き!!」
誰も聞いていないのに。
あたしはその場でセイくんへの愛を叫んだ。