僕を愛した罪
そして、今日。
甘いピンク色に、真っ白なレースを盛ったワンピースを着て、
あたしはセイくんの家に向かっていた。
…普通恋愛漫画だと、彼氏が迎えに来るかもだけど。
セイくんは迎えになんて一切来ない。
あたしが家を知っているのを、知っているから。
デートも以前やった放課後デートだけだし。
待ち合わせっていうの、初めてかも。
「……ん?」
セイくんの家が見えてきた頃。
あたしは、声を発した。
さっきから鼻歌は歌っていたけど。
あたしの視界に入るのは、見知らぬおじさん。
おじさんは、セイくんの家の前で、何もしないで立っている。
…誰、だろ。あの人。
髪の毛は全部真っ白で、まだ残暑が残る季節だって言うのに、真っ黒なスーツを着ていた。
横顔だから、よく見えないけど。
鎖の付いた眼鏡をかけているみたいだった。
白髪で、真っ黒なスーツを着て、鎖付きの眼鏡?
セイくんの、知り合いかな?
あたしはその場で、90度に首を傾げた。