僕を愛した罪








…もしかして、ストーカー!?

あたしの中で、疑惑が生まれる。



最近、高齢者のストーカーが多いってテレビで言っていたし。

しかも自分より若い人を狙ったストーカーが多いって。



セイくん、かっこいいから。

きっと同性から見てもかっこいいんだよ。

だからあの人は、ストーカーだ。

確信して深く頷いたあたしは、どんどんおじさんに近づいていった。






「初めまして」


「…おや、初めまして。どちら様ですか?」




話しかけてみると、おじさんはあたしを疑うことなく、穏やかな笑みを浮かべた。

こういう人ほど、怪しい。

あたしは出来るだけ笑顔を保ったまま、聞いてみる。





「おじさん、誰ですか?」





回りくどい言い方は嫌いだから。

素直に聞いてみた。





「この家の住人の知り合いです。
お嬢さんは?」




カラカラ笑いながら、答えてくれるおじさん。

ますますあたしの中で、疑惑が膨らんだ。







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