僕を愛した罪







「待っていて」とセイくんには言われたけど、
あたしは玄関までついて行って、宮口さんを見送った。

星太郎おじちゃんの秘書さんだからか、セイくんのことよく知っていたなぁ。

今度セイくんがいない所で、セイくんのこと色々聞きたいかも!





「愛さん?
余計なこと考えないでくださいね?」


「余計なことって?」


「今度宮口とふたりきりになって僕のこと聞こうなんて考えていることですよ」


「えっ!?…そんなこと考えるわけないよ!
セイくん、想像力豊かだね」


「…まぁ良いですよ。嘘ついているの、僕には丸わかりですから」


「どうしてっ!?」


「キミが嘘をつけない性格だからです。
見ていれば嘘ついているとかわかりますよ」


「セイくん…あたしのこと、見ていてくれているの?
嬉しいなぁ。

嬉しすぎて、溶けちゃうかも」


「溶けないでください。後始末が大変ですから」





くるり、と背を向けて家に戻って行くセイくん。

あたしはその後姿を追いかけた。

ずっとずっと、この後姿が見られますように。






「ところでセイくん。どこ行くの?」


「良いから黙ってついてきてください」





リビングへ通じる扉の前を通り過ぎ、セイくんがどんどん進んでいく。

あたしもそれを追いかけた。







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