僕を愛した罪
「わぁ…綺麗。…てか何もないっ!」
階段を上がった先にある、セイくんが中へ入っていた場所。
それは、セイくんの部屋だった。
あるのはベッドと勉強机と、難しそうな本が並ぶ本棚のみ。
床には埃(ほこり)1つ落ちていなくて、かなり綺麗。
てか、殺風景。
カチッ
初めて入ったセイくんの部屋の中を見渡していると。
不思議な音が聞こえて、あたしは振り返った。
扉に寄りかかったセイくんが、ふ、と微笑んだ。
「キミ…もう少し緊張感を持った方が良いですよ?」
「へ?」
「いくら彼氏とは言え、男の部屋にノコノコ入るなんて。
性犯罪に巻きこまれないでくださいね?」
「せ、セイくん?」
「気が付かないのですか?
何故今日、僕がキミのことを呼んだのか。
そして先ほど僕が言った、キミから貰うプレゼントとは何か」
…そういえば不思議だった。
誕生日だとあたしは知らなかったけど、セイくんは自分の誕生日を覚えていた。
そんな日に、どうしてあたしを呼んだのか。
あたしから貰うプレゼントとは何か?