僕を愛した罪
お茶を飲み終わったらしいセイくんは、ふと壁にかけられているシンプルな時計を見上げた。
「愛さん。
今日僕から誘っておいてなんですけど、用事があるんですよ」
「セイくんに用事?」
「ええ」
「わかった。
じゃああたしはこれで失礼するね」
「すみません」
「気にしないで。
セイくんにだって用事あるもんね。
…何するか、聞いても良い?」
やっぱり…少し、寂しいから。
少しじゃ…ないけど。
「バイトですけど?」
「バイト!?」
セイくんが…バイト!?
な、何か想像つかない!
「塾の臨時講師を募集していたので。
アルバイトをしているのですよ」
「さ、さすが成績優秀…」
黒板の前に立って、生徒に勉強教えているのかな?
あー、生徒になりたい!