僕を愛した罪
真夜さんとの日々を思い出したのか、ママがどんどん話しだす。
「あと真夜は、サボり魔で有名だったわ」
「サボり魔……?」
セイくんも、成績優秀なのにサボり魔ってことで有名だ。
「いつも屋上で、何もしないで寝転がっているの。
それがあんまりにも気持ち良さそうだったから、わたしも真夜の真似して一緒に屋上でサボって。
『どうしてキミまでサボるんですか』っていつも言われてたわ。
わたしは真夜と違って、成績が悪かったから」
…セイくんを女にした感じなんだな、真夜さんって。
実際にあたしも会ってみたかったなぁ。
「星夜くんがウチに初めて遊びに来た時は驚いたわ。
真夜を男の子にしたみたいにそっくりだったんだもの。
まぁ星夜くんは真面目に授業を受けているんでしょうけどね」
実はママは、
あたしとセイくんがいつも屋上でサボっているってことを知らない。
先生たちは勿論知っているんだけど、セイくんと一緒にいるからか、
あたしもセイくんもあんまり怒られない。
受けるのは「真面目にしろ」という注意だけ。
パパやママの耳にははいってきていないし、反応から見ておじちゃんも聞いていない。
パパとママ、それにおじちゃんは、
あたしとセイくんは真面目に授業受けている優等生って思われているんだろうなぁ。
…凄い勘違いだけど。