僕を愛した罪
「桐生くん!おはよー!」
寝転がる僕の視界に飛び込んでくる彼女の顔。
僕は何も言わず、瞬きを1つだけしました。
「桐生くんは毎日ここにいるね。
飽きないの?」
「飽きるのならどこかへ行きなさい」
「嫌だ。
桐生くんのお傍にいるのがあたしの役目だもん」
「頼んだ覚えはありませんけどね、それは」
「役目でもあり、あたしの趣味でもあるもんね」
「フフン」と嬉しそうに鼻歌を歌いだす彼女。
何の歌かわかりませんけど、彼女は心底嬉しそうです。
「……1つ、聞いても良いですか」
「なぁに?」
僕は上体を起こして、
初めてと言って良いほど真っ直ぐと彼女を見ました。
彼女は変わらず笑顔を浮かべたまま笑います。
「……何故、僕の傍にいられることが出来るのですか?
僕と一緒にいても…つまらないでしょう?
どうして…僕から離れようとしないのですか」