僕を愛した罪
大体僕は王子などと言った名前ではありません。
何故王子くんなどと、
いかにも本名な感じで彼女は呼ぶのでしょうか?
5歳ほどの小さな子どもなら許せたものの、
相手はもう高校生。
良い加減王子などと言った乙女心は捨てれば良いのですがね。
「王子くん!
そんな所で寝ていちゃ風邪引いちゃうよ?」
僕が目を瞑っているのを
どうやら寝ていると勘違いしたようです。
目を瞑れば話しかけて来ない、と考えた僕は
どうやら間違っていたようですね。
「もしかして具合悪い?
保健室行った方が良いんじゃない?
王子くん?」
「…ご心配には及びません」
「どうして?」
「具合は悪くありません。
それよりも
さっさと僕の前からいなくなってくれませんか?」
「酷いなぁ王子くんは。
でもそれは断るよ!
ねぇねぇ王子くん。
あたしも隣にいても良い?」
「どうしてですか」
「王子くんの隣にいたいんだもん」
「では僕はこれで」
僕は目を開けて屋上を出ようとしました。
だけど彼女に腕を掴まれました。