僕を愛した罪
ずっと、
ずっと、
ずっと、
気が付いた時から。
―――僕はヒトリ、だった。
だから今は
とても珍しい状況なのです。
僕の傍に人がいる。
僕の傍で笑っている人がいる。
僕から離れない人がいる。
例えアホでも、馬鹿でも。
僕の傍にいる人が、いる。
「……どうして、ですか?」
ビュウッ、と音をたてて風が通り過ぎます。
強い、強い、強い風が。
彼女の髪も僕の髪も、風に靡(なび)きます。
「……キミと
一緒にいたいから。
それが理由だよ?
それ以外に理由なんて、ないよ」
さも当たり前かのように、
彼女は誰か忘れている人がいるであろう
“普通のこと”を、言いました。