僕を愛した罪







「お帰りなさい」も

「おやすみ」も

「行ってらっしゃい」も

何もかも桐生くんと言えるんでしょ?

今まであんまり意識したことなかったけど、結婚って素晴らしいなぁ。



桐生くんは成績優秀だから、
きっとエリートみたいな職に就きそうだなぁ。

忙しくて、お家に帰ってきても仕事、とかあり得るのかも?

そうしたらあたしは、きっちりサポートできる奥さんにならないと。

「毎日お仕事ご苦労様」って眠気覚ましの珈琲を淹れてあげるの。

肩もみしてあげたり…?ウフフッ!




安定してきたら子どもも欲しいかも。

男の子だったら桐生くんに似てイケメンだろうな!

バレンタインデーにいっぱいチョコレートもらいそう。

女の子だったら…可愛い子だと良いな。

どちらもあたしに頭は似ないで、桐生くんに似てほしい。

頭悪いと困るからねぇ…テストとかテストとかテストとかで。

桐生くんに似て、成績優秀に育ってほしいな!







「……何ニヤニヤしているんですか」


「あっ、未来の旦那様!」


「…いつ僕が未来の旦那様になったのですか」





眼鏡のブリッヂ部分を押さえ、溜息をつく桐生くん。

その姿さえも絵になっていて…美しい。

あたし…とろけてしまいそう。








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