僕を愛した罪
「そーいえばどうする?
今日も放課後デートしちゃう?」
「しません」
「昨日してくれたのに?」
「昨日は断ってもキミが勝手についてきたのです。
あれ、世間では何と言うか知っていますか?」
「何て言うの?」
「ストーカー、です」
「ストーカーじゃないよぉ?」
「ついてくるなと言ってついてくるのも、
家を知りたいあまりこっそり後をつけてくるのも
立派な犯罪です」
「だって知りたいじゃない?
好きな人がどんな生活しているのかって」
「…まさかキミ、家に盗聴器や監視カメラを取り付けてませんよね?」
「取り付けるわけないじゃーん」
「ですよね?
さすがのキミでもそんなことしませんよね」
「しないよー。
だってネットで調べたけど、盗聴器とかカメラって高いじゃん?
あたしそんなにお金持ってないよ」
「……お金あったら、買っていたのですか?
そもそもネットで見たんですか?」
「うん。
なるべく小型で性能が良いのが良かったんだけど…。
これ良いなって思うものほど高くて……」
桐生くんの顔が少し青くなったのは
きっとあたしの気のせい。