僕を愛した罪
「…離れてくれませんか」
「王子くん怖い…」
少し殺気を出して睨むと彼女は離れました。
怖いと思うのなら来なければ良いはずですのに。
「キミが屋上にいたいと思うのなら好きにしなさい。
僕はお邪魔なようなので教室に戻ります」
「お邪魔じゃないよ!
教室戻るのならあたしも戻る」
「来ないでください。
来ると言うのならストーカーで訴えますよ」
「訴えないでー!」
「じゃあ来ないでください」
「……むぅ」
ほっぺたを風船のように膨らませる彼女。
最初からそうすれば良いものを。
何故自分から傷つく結果へ行くのでしょうか?
「…やだ。
やっぱり一緒に行きたい」
「訴えますよ」
「でも一緒にいたい」
「来ないでください」
「行きたい」
「来ないでください」
「嫌だ。行きたい」
「来ないでください」
「嫌だ」
そのやり取りは数十回繰り返されました。