僕を愛した罪
わはは、と豪快に笑うその人物は。
僕らが住み、
僕らの通う学校がある市の
…市長さんでした。
「…な……」
「ん?
どうしたんだね桐生くん?」
「…な、何故…市長が?」
「おや、オレのことを知っているのかい?」
「あ、当たり前じゃないですか…」
テレビにも出ているし、なにより…。
市長は…あの男の……。
「初めまして、だな?
愛の父・前園次郎(じろう)です。
キミの言う通り、市長を務めている」
…驚きました。
まさか彼女―――前園愛の父親が、市長だったなんて。
最下位スレスレの成績保持者のアホの父親が、市長だなんて。
…信じられないことばかりが起きています。