僕を愛した罪

「キミは今、星太郎と一緒に暮らしているのかい？」


「いえ…１人暮らしをしています」


「そうか。
星太郎と連絡は取っているのか？」


「…とってません」


「音信不通ってわけか。
父親と息子は、そんなに仲が悪いものなのか？」


「…世の中の父親と息子が仲良いかは、存じ上げませんね」


「それもそうだな」


「…１つ、聞いてもよろしいですか？」


「何だね？」


「彼女は…愛さんは、知っているのですか？
僕が桐生星太郎の息子だって…」


「いや…知らないと思うよ。
ただ、星太郎と愛ちゃんは結構仲良いよ。

気が付かれるのも、時間の問題だろうね」


「……そうですか」





知られていなくて良かった。

僕はふっと息を吐いた。

次郎さんは何か言いたげにしていたけど、
何も言わなかった。





「あなたー、桐生くん。
トンカツ出来たわよ？」


「おー、美味そうだな」


「…ありがとうございます」