僕を愛した罪
☆愛side☆
『ふざけんな!
愛の近くにいて良いのは俺だけだよ!
何で他の奴らが愛に近寄ってんだよ!
マジでうぜぇんだよ!!
ふざけんじゃねぇぞ!愛!!』
狭いアパートの一室、政志の部屋。
あたしはそこで、殴られたり蹴られたりした。
怖くて怖くて、仕方なかった。
『愛ちゃん?
愛ちゃんの大好きなオムレツ作ったのよ?
出てきて一緒に食べよう?』
『愛ちゃん。
前に夏物の上着が欲しいって言っていただろ?
パパと一緒に買いに行こうか?』
部屋の扉越しに聞こえてくる、パパとママの声。
その優しさにすがってしまいたかった。
だけど、外に出たらまた殴られそうで。
恐怖心が消えなかった。
だけど、ずっとずっと引きこもるわけにはいかない。
恐怖心を必死に心の奥底に押し込めて、必死に笑顔を作った。
あたしを見るパパとママは気がついていたみたいで、あたしを見る度寂しそうに笑っていた。
だけどあたしは、笑顔を作ることを止めなかった。