僕を愛した罪
「それに…気になるんだ」
青空を眺めながら、彼女が呟きました。
僕は無意識のうちに、ピクッと肩が上下に揺れます。
だけど上を向いている彼女は、気がついていません。
「セイくんが、星太郎おじちゃんと会うのを、拒む理由(ワケ)」
「…………」
「会ったらきっと、理由がわかると思うんだ」
「…………」
そりゃあわかるでしょうね。
向こうはどうか知りませんけど、僕は覚えていますから。
憎き、あの男の顔を。
「セイくんがそこまでムキになって拒むの、変だから。
…ごめんね、セイくん」
弱々しく笑った彼女を見て、感じます。
…本当に彼女は、
僕と桐生星太郎の関係に、気がついていない、と。
ただ純粋に、
持ち前の好奇心で、知りたいだけなのだ、と。
「……良いでしょう。
そこまで言うのなら、行ってあげますよ。
おにぎりも、無駄になりますからね」
3年ぶりに、会ってあげますよ。
あの
人間とは思えない、冷酷な眼差しと。
同じように育った、僕と。