僕を愛した罪
哀しいキミ
☆愛side☆
さすがに、手錠を付けたまま校内とか歩くのは不自然だから。
「行く」と言ってくれたから、あたしは外すことにした。
結構高かったけど、まさか使う機会があるなんてね。
我ながら無茶苦茶な方法だったかも。
だけど、気になっちゃったんだもん。
普段冷静沈着で喜怒哀楽を表に出さないセイくんが、
あそこまでムキになる理由が。
絶対に星太郎おじちゃんと何かある。
何か、がわからないけど、直感的に思えた。
『何かある』ってあたしの第六感も囁いている。
あたしたちは放課後になるまで、いつも通り過ごした。
勿論教室には行かないけど、屋上でゆったりした。
お昼時にはお弁当を食べる。
セイくんのお弁当はいつも手作り感満載で、羨ましくなる。
ママの作るお弁当は、美味しいんだけど…半分以上が冷凍食品だから。
冷凍食品なんて一切使わないセイくんのお弁当が羨ましい。
「セイくんのお母さんって美人なの?」
「……さぁ」
「まぁ普通、自分のお母さんが美人とかってわからないよね。
あたしはママのこと、美人だと思うけど」
「芽衣子さんは美人ですよね」
「やっぱりそう思う?
あたしはパパに似て童顔だからなぁ。
ママみたいに美人に生まれたかったかも」
「キミは芽衣子さんに似ていますよ、その笑顔が」
「照れるなぁ、もう」