愛し愛され恋せよ乙女っ!
Act.1

いちばん近い存在



「りーーんーーっ!!!」


「なに?」


ゆっくり振り返った彼は意地悪そうな笑みを浮かべながら、飛びかかったあたしの頭を右手でガシッと掴んだ。

クォラ!!!!
離せェ!!!!


「なに?(ニタァ) じゃないっ!!!
あたしのメロンパン返せ!!!」


頭を掴む手首を逆に掴み返して、あたしよりも背の高い凛の顔を睨みつける。

あたしのメロンパン食べやがって!!
くそう!!!
絶対にゆるさな…


「あーごめん。でも俺、ナツの食ってるメロンパンが欲しかったから」


…マジで?

『あたしの』メロンパンが食べたかったの??


「なっ、なんじゃそりゃぁ!!
それなら食べる前に言いなさいよ!
メロンパンごときいくらでもあげるのに〜!!」


掴んでいた凛の手首を離して胸ぐらをポカポカ殴ると、凛は笑いながらあたしの頭に手を置く。


「ほんと、オマエって相変わらずズレてんな」


ギュゥゥゥゥゥン!!!!
(↑ナツのトキメキの音)

見ましたか皆さん!!
今の仕草!!
聞きましたか皆さん!!
今のセリフ!!

もうほんとにウチの凛ちゃんはカッコいい!!!

え?今のって呆れられただけ?

ハッハッハッ!
そんなわけないじゃない!!

凛は滅多に笑わないんだから!!
その笑顔をあたしにはいつも見せてくれてんだからねっ!!!?

これはもう!!
恋・愛・対・象!!!


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