愛し愛され恋せよ乙女っ!



「……で、結局その『天使きゅん』とやらにオムライスを譲った、と」


「うん、そう!!」


「ハァ…」


席について来宮にさっきの事を伝えると、まるで雑務をこなすOLのように眈々と状況を整理された。

そして呆れたようにため息をつく。


「アンタ、それ嵌められてんのよ」


「ゴフォッ!?」


ちょ、いきなりそんなこと言わないでよ!!
パスタ口から出そうになったじゃん!!


「だってそうでしょ。
その『天使きゅん(笑)』って、私が聞く限りでは相当猫かぶってんじゃない」


「でもめちゃくちゃ可愛かったんだよ?
しかもいい子!」


あたしも負けじと言い返すけど、それは次の来宮の言葉によって制されてしまった。


「ラス1だって知ってたんでしょ。
だから最初にアンタが注文しようとしたときぶつかった。
アンタが『あたしです』って言おうとしたとき言葉を遮った」


「………ヤられたァァァッ!!!!」


「ほんっとバカ」


ううう…あたしからオムライスを奪うための策略だったなんて…恐ろしい子!!

でも…


「可愛かったからいっか」


「そうね。アンタがバカなのも悪いわ」


「ヲイ来宮ァ!!!!!」


まあとにかく、このパスタもすっごく美味しいし学食に来て正解だったかも。

それに、オムライスはいつか絶対注文してやるんだから!!

なんか燃えてきた!!!


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