愛し愛され恋せよ乙女っ!


凛が…あの子を抱きかかえて食堂を出て行った。


そこまではいい。
だって凛は優しいから。
怪我でもしてたなら尚更、あーゆーの放っておけないのが凛のいいところだし。

でも。


あんな顔、あたしだって数えるくらいしか見たことない。


赤く染まった頬。
あの子を抱きかかえる前に、口を手で覆って目を泳がせてた。

あれは…凛が嬉しい時にする癖。


…もしかして、エキストラに靡いた?


いやいや、まさかそんな。
だって凛の本命はあたしだもん。
なんたって幼なじみだし、いちばん凛の近くにいるのはあたしだし。

じゃあさっきのは?

ンンンンンンンンン…考えるほど頭が痛い!!!!!

てゆうか、少し遠目からだったし周りのギャラリーがうるさくてさっき何があったのかが分からない。

すごい気になる!!


キョロキョロと辺りを見回すと、ちょうど二人がいた場所の近くに同じクラスの山田くんがいることに気づいた。

ナイスだ山田!!!


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