愛し愛され恋せよ乙女っ!


あたしは猛ダッシュで駆け寄り山田くんを捕獲すると、壁際に追い詰めて口を開く。


「ねえ山田くん!!!
さっきここで何があったの!?!」


「へっ!?あ、あの、香崎さ…」


「答えて山田(もはや呼び捨て)!!!」


すると山田は観念したのか、オドオドしてはいるものの少しずつ話してくれた。


「さ、さっき西野さんが絡まれてて…というか一方的に暴言を受けてて、そこに通りかかった夏木くんが『やめてあげれば?』って言ったんだ」


さすがあたしの凛!!!
優しい!!ヤサオ!!!


「そしたらあの人たち逆上して、西野さんの隣にあった椅子を夏木くんに投げつけちゃって。それを咄嗟に西野さんが庇って代わりに怪我したんだ。
それで西野さん、『夏木くんは関係ない!そんなに暴れたいなら私にしなさいよ!』って怒鳴ってさ」


「凛ってば超カッコいい…」


「へ?」


「いじめられてる女の子を助けるなんて…少女漫画のヒーローみたいじゃないっ!?!」


「え…え? あの、香崎さ…」


「アッでもその西野さんに絡んでたって人たち、凛に椅子投げつけるなんて許せない!!
当たってたらどうするつもりだったの!?!ねぇ山田!!!」


「ヒィッ!ごっごめんなさ…ッ」


「え?ちょ、山田!?」


山田、逃亡。

え?なんで逃げたの??
イミワカンナイ!!(お前のせいだよWWWWWWWWW)


「アンタがワケわからんこと言うからに決まってんでしょーが」


ゲッ!来宮!
おまえはいつからソコに!!


「最初から」


「いるなら言ってよ!!」


「だってなんか興奮状態だったし。
話しかけたらとばっちり食らうと思ったから、山田に犠牲になってもらったの」


あーなるほど。
やっぱり来宮頭イイね!!
(↑貶されてることに気づいていない)



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