愛し愛され恋せよ乙女っ!


「で?
アンタは今の話で納得したわけ?」


「うん!
凛が超カッコいいってことが改めて分かった!!!」


興奮気味にガッツポーズをして見せると、来宮は急に意地悪そうに口角を上げた。

え、コワイ。


「へぇ?そう。
でもさ、経緯はどうあれ夏木が始めに西野さんを庇ったんでしょ。
西野さん、夏木に惚れたんじゃない?」


「あぁ、なんだ、そんなこと?
べつに凛のことを好きな女の子は腐る程いるんだし、気にしてな」


「それに、そのあとの西野さんの奮闘ぶりは私たちも見たじゃん?
あんなパワフルなところ見せられたら、夏木だって西野さんのこと好きになっちゃったりして〜?」


…今日はなぜそんなによく喋るのだ来宮よ。

しかもそんな不吉なこと言うなんて!
ひどい!!ひどすぎる!!


「凛は西野さんなんか好きにならないもんーっだ!!」


「ふぅん?まあ私はどっちでもいいけどね。ほら、アンタまだパスタ残してんだから。席戻るよ」


「アッ!!!!そうだった!!!!」




慌てて来宮のあとを追いかけるあたしは、17年間描いてきた凛とのハッピーエンドから遠ざかっていっていることにまだ気づいていなかった。


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