愛し愛され恋せよ乙女っ!
「ほんとアンタってどっかズレてるわ」
あ、それ昨日凛にも言われた。
「あたしがズレてるとしたら、どのへんがズレてるの?」
あたしは普通のザ・JKしてるつもりなんだケドなぁ。
来宮は足を組んでため息を一つつくと、ピッとあたしを指差してこう言った。
「バカ」
そ、それが言いたいだけカァァ!!!!
あたしがガタンっと立ち上がると、恐ろしいほど冷静な顔をした来宮に両肩を掴まれ座らされる。
「まーそうキレない。
だってさ、夏木に彼女が出来るのって今回で何回目?普通夏木のことが好きだったら、そーゆーの嫌なんじゃないの?」
「え?んー…そうでもないよ?」
「は?ワケわからん」
ワケわからんと言われましても…ねェ?
そんな話をしていると、騒がしくなってきた廊下から「凛くーん!」と声が聞こえてきた。
「あ!!あのバカっぽい子の声!!」
「いや、なんで分かんの」
「凛ーッ!!!」
あの子が凛を呼ぶということは凛の朝練が終わったということ!!!
つまり凛が今廊下にいる!!!
獅子のように駆け出したあたしが廊下に飛び出すと、そこには楽しげに凛の手を握るバカっぽい子。
ふむ…エキストラにしちゃあなかなかやるな。
「おっ、アレが夏木の今カノ?」
教室から出てきた来宮にあたしが頷くと、
「からかってやろ〜っと」
とあたしが机に置いてきたヨーグ@ーナを再び手にぶら下げながら二人に近づいていったのだ。